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愛され車列伝|デリカの歴史「唯一無二のワゴン型4WDが57年愛され続ける理由」

1968年に誕生した三菱デリカ。小型キャブオーバートラックから始まったこの車は、今や「ミニバン×SUV」という唯一無二のカテゴリーを築き上げています。

57年の歴史の中で、デリカが貫き続けてきたのは「走破性の高いワゴン」という一つのコンセプト。商用から乗用へ、キャブオーバーからセミキャブへ、そしてFFミニバンベースへと進化しながらも、なぜこの車は「唯一無二」の地位を失わないのか。その答えは、時代の変化に対応しながらも、根底にあるDNAを決して失わなかったからです。

本記事では、デリカの初代から現行D5、そして2025年のビッグマイナーチェンジまでを、時代背景とともに振り返ります。

目次

初代デリカ(1968-1979)|商用車からの出発

デリカコーチ 引用:北北海道三菱自動車販売(株)

1968年、三菱自動車が発表した初代デリカは、ラダーフレームにキャブオーバーの3人乗りキャビンを組み合わせた小型トラック。「デリカ」という名前は「Delivery(配達)」と「Car」を組み合わせた造語です。

この時代のデリカは、商用モデルとしてのポジションが強かったのですが、後にワンボックス型の商用車「デリカバン」や「デリカライトバン」、そして9人乗りの乗用モデル「デリカコーチ」へと派生していきます。1979年の2代目登場までの11年間、デリカのアイデンティティはあくまで「働く車」。

でも、この時期のエンジン搭載やボディサイズの拡大といった進化が、後に「唯一無二」のワゴンを生み出す素地となっていきました。

純正のポップアップキャンピングカー仕様
えるやん

丸目がかわいい初代デリカ、乗れることなら乗ってみたい・・・

2代目デリカ(1979-1986)|「スターワゴン」の誕生と4WDの追加

2代目デリカ

1979年、デリカに大きな転機が訪れます。乗用モデルとして新たに「スターワゴン」という名前がつけられました。この名前には「みんなに愛されるワゴン車でありたい」という想いが込められていました。

初代スターワゴンは、シートアレンジの豊富さで人気を博しました。2列目・3列目をフルフラット化でき、対面シートも設定されるなど、当時としては革新的な室内空間を実現していました。

初代スターワゴンの登場

当初は2WDのみの設定でしたが、1982年10月、デリカに4WDが追加されました。ここから走破性の高いワゴンというアイデンティティが確立されていきます。

2代目スターワゴンの4WDは、大径タイヤが装着され最低地上高も高かった。これにより「1BOX×4WD」というデリカ独自のキャラクターが確立されました。キャブオーバー型ながら本格的な走破性を備えた、当時でも極めて珍しいワゴンの登場です。

えるやん

この時代の選択が、その後のデリカの方向性を決めました。「ミニバンのような快適性」と「SUVのような走破性」を同時に追求する。
これこそが、ライバル不在の理由になっていくんですね。

1985年には特別仕様車の「シャモニー」が登場します。スキーブームの到来に合わせ、スキー仕様車として高い人気を獲得しました。このシャモニーは、後の時代でも継続的に設定され、デリカの象徴的な特別仕様車となっていきました。

3代目デリカ(1986-1999)|RVブームで頂点を極める

愛車3代目デリカ

1986年、デリカは3代目へとフルモデルチェンジを迎えます。スターワゴンも2代目となり、デリカスターワゴンというとこのモデルを思うかべるのではないでしょうか。

えるやん

僕の愛車ということでどうしてもここは愛着と偏見で語っていきます。

3代目最大の進化は、ボディがラダーフレーム構造からモノコックボディへと変わったこと。軽量化と剛性アップを両立させながら、大径タイヤの搭載が可能になり、最低地上高も一層確保されるようになりました。

エンジンも充実してて、4WDディーゼル車には4D56型2.5Lディーゼルターボが搭載され、85馬力/20.0kgmを発揮。
正直、運動性能が高いとは言えませんが、ディーゼル特有の力強い走りをします。

1989年には4WDモデルにハイルーフ仕様が設定されます。さらに特筆すべきは、ルーフの左右をガラス張りにした「クリスタルライトルーフ」の登場。これにより、ワンボックスの長いルーフに明るく開放的な空間が実現され、カラオケができるエンターテイメントシステムが装備できたりと、居室空間は更に豪華にバブリーにという時代を象徴するような仕様も登場しました。

天井に大型のガラスが採用されたクリスタルライトルーフ
えるやん

現在の中古車市場で完動品のクリスタルライトルーフ車を見つけるのは至難の業。憧れるけどメンテナンス性を考えると付いてないモデルの方がいいかもしれません。

この時期は、ちょうどバブル経済とスキーブーム、そしてRVブームが重なった黄金期。スキー場の駐車場には、デリカスターワゴンが溢れていたそうです。僕の世代だとお父さんが乗ってた!という人が多い。

1990年のビッグマイナーチェンジでは、エクステリアが大幅に刷新され、プロジェクターヘッドランプが採用され、最上級グレード「スーパーエクシード」が追加されました。

前期型のヘッドライトは角目4灯

今、僕が乗ってる3代目デリカは中期型のエクシード。サンルーフ付(非クリスタルライトルーフ)の対面で座れるキャプテンシートがちょっとバブリーな気分。経年劣化はどうしてもあるけど、走破性と積載性のバランスが素晴らしい。

後期型はカンガルーバーが自主規制により撤廃

1994年5月、4代目デリカスペースギアが登場した後も、スターワゴンは併売が続きます。13年間で20年の長きにわたるスターワゴン時代の2代目は、マイナーチェンジとグレード展開の見直しを繰り返しながら、その根強い人気を不動のものにしてました。最終的に1999年9月に生産が終了するまで、スターワゴンは多くのユーザーから愛され続けたんです。

3代目デリカ(2代目スターワゴン)のウィークポイント

スターワゴンにはいくつかの持病があります。特に報告が多いのは黒煙問題。僕の場合はEGR(排気ガス再循環装置)の固着やソレノイドバルブの劣化により、エンジン始動時や低負荷走行時に黒煙を撒き散らしていました。(修理済み)噴射ポンプの故障やマニホールドの詰まりなども原因になるので、個体ごとに調べて直すことになります。

また、廃盤パーツも徐々に増えてきてます。特にエアコン関連のリレーなど、電装系の部品は新規製造されず、中古パーツの確保が必要になります。ただし、台湾や海外市場でのマイナーチェンジ継続生産により、互換パーツが存在することもあるので、工場選びと情報収集が重要になってきます。

4代目デリカスペースギア(1994-2006)|フロントエンジン化と安全性基準への対応

前期型はまだカンガルーバーがついている

1994年5月、デリカに革命的な変化がもたらされます。新型は「デリカスペースギア」と名づけられ、「スーパー・プレジャーRV」をコンセプトに掲げ登場しました。

最大の変化は、それまでのキャブオーバーレイアウトからフロントエンジンレイアウトへの転換。その背景には、1993年1月の「道路運送車両の保安基準」改訂がありました。1994年4月以降にリリースされる新型車には前面衝突試験が義務付けられ、キャブオーバーレイアウトでは衝突安全性能基準を満たすことが困難になった為です。

スペースギアは、この新基準にいち早く対応し、クラッシャブルゾーンを設けたフロントエンジン、ハイルーフミニバンになりました。

フロントエンジンレイアウトのメリットは、単なる安全性の向上だけではなく、前席足元からラゲッジルーム後端までをフルフラットフロアとすることが可能になり、ウォークスルーや多彩なシートアレンジが実現しました。

えるやん

4WDのセレクトレバーだけが運転席横から生えてるのは御愛嬌

フレームはパジェロのラダーフレームをベースにモノコックボディを融合させたビルトインラダーフレーム構造。高い剛性とクラッシャブル構造を両立させました。

スーパーセレクト4WDはパジェロ譲り。2WD、4H(フルタイム4WD)、4LLc(低速4WD)の切り替えが可能で、走行中でも転換できる利便性を備えてました。エンジンも強力で、3.0L V型6気筒ガソリンエンジンを筆頭に、2.8Lディーゼルターボなど4種類がラインナップされてました。

3代目同様途中からカンガルーバーが廃止

ただし、スターワゴンとは異なり、より「ミニバン寄り」の設計になったことで、キャブオーバーならではのあの独特な角ばったスタイルや、狭いながらも個性的な運転室は失われました。大型化による取り回しの悪化も課題になりました。

それでもRVブーム継続と、スペースギアの高い走破性により、販売台数は堅調に推移していました。

5代目デリカD:5(2005年〜現在)|ミニバンとSUVの融合の完成形

2005年、デリカは新たな時代へ突入します。5代目という意味の「デリカD:5」として登場した新型は、これまでのデリカのイメージを一変させるほど、乗用車的なミニバンへと進化しました。

最大の特徴は、パジェロベースから、アウトランダーベースのFFプラットフォームへと転換されたこと。スペースギアまでのFR・ラダーフレームベースではなく、よりオンロード寄りの設計です。乗車位置も低くなり、よりセダンのような自然な運転姿勢が実現されました。

初期型のエンジンは2.4Lガソリン(170ps)のみで、当初は4WDのみの設定でした。リブボーンフレームという航空機設計に由来するボディ構造を採用し、高い剛性と衝突安全性を両立させています。

2007年5月には2WDモデルが追加され、翌2007年10月にはエアロパーツを装着し、よりオンロードを意識した「ROADEST」に4WD車が設定されます。

2012年12月26日、歴代のスターワゴンやスペースギアのディーゼルファンの強い要望に応える形で、クリーンディーゼルエンジンが追加されました。4N14型2.2Lコモンレール式DI-Dで、148馬力を発揮。トランスミッションは6速スポーツモード付ATで、走破性を求めるユーザーから高い支持を獲得しました。

💬 時代の声を聞く設計: ディーゼルの追加は、単なる「スペック追加」じゃなく、「ユーザーが何を求めているか」という根本的な問いへの答えなんですね。スターワゴン時代からのディーゼルファンの想いが、長い月日を経て実現した瞬間でした。

中期型シャモニー

2019年2月15日のビッグマイナーチェンジは、事実上のフルモデルチェンジに匹敵するほどの内容でした。フロント周りのデザインが大幅に変更され、トランスミッションが8速スポーツモードATへ進化。エンジン制御やCVT制御が見直され、走行性能が大幅に向上しました。

えるやん

柔らかいデザインからダイナミックシールドをあしらった今風の鋭いデザインになったことで、賛否がわかれましたが、今は馴染んでいる気がします。

e-Assistという予防安全技術パッケージが全車に標準装備され、衝突被害軽減ブレーキシステム、車線逸脱警報、レーダークルーズコントロールなどが搭載されました。

特別仕様車も充実してるんです。「シャモニー」はスターワゴン時代からの系譜を引き継ぎ、冬季限定から常設グレードへと昇格。本木目&本革巻きステアリング、運転席パワーシート、シートヒーターなど上質な装備が加わってます。

一貫したコンセプトを持ちつつも時代に合わせて変化し続けるデリカ

2025年のビッグマイナーチェンジ|「S-AWC」搭載で完成形へ 2025年10月、デリカD:5は19年目にして異例の「ビッグマイナーチェンジ」を発表。翌2026年1月9日より正式に発売が開始されました。
今回の改良における最大のトピックは、ついにミニバンとして初めて「S-AWC(車両運動統合制御システム)」が採用されたことです。
これまでアウトランダーPHEVなどで培われてきたこの技術により、従来の4WD制御に加え、ブレーキ制御による「AYC(アクティブヨーコントロール)」が統合され、ハンドル操作に対する車両の回頭性や安定性が劇的に向上しました。

エクステリアも刷新され、フロントグリルやバンパーのデザイン変更に加え、新たにオーバーフェンダーが装着されました。
これにより全幅は20mm拡大し1,815mmとなり、よりラギッド(無骨)なSUVらしさが強調されています。 インテリアには8インチのフル液晶メーターが採用され、先進性が向上。価格は451万円〜495万円となり、名実ともに「最強のミニバン」として君臨し続けています。

現在のデリカD:5が唯一無二である理由

国産ミニバンの中で、本格的な4WDシステムと高い走破性を備えているのはデリカD:5だけなんです。トヨタノア、ホンダステップワゴン、日産セレナ—いずれも優れたミニバンですが、オフロード走破性に関してはデリカに及ばない。これは単なるスペック上の話じゃなく、開発思想の根本的な違いなんですね。

📌 ライバル不在の秘密: 他のメーカーが「快適なミニバン」と「走破性のSUV」を分けて開発する中、デリカだけが「両立させる」という難しい道を選び続けました。その執念が、57年間の唯一無二のブランドを作ってるんですね。

デリカは「ミニバンの快適性」と「SUVの走破性」を両立させるという、他のメーカーが真似できない哲学を持ち続けてるんです。スキー場からキャンプ場、そして悪天候の山道まで、同じ1台で対応可能な汎用性。これこそが、57年間にわたって愛され続けた理由だと思います。

まとめ

デリカの57年の歴史は、「走破性のあるワゴン」という一つのコンセプトがいかに普遍的な価値を持つのかを教えてくれます。

時代が変わり、基準が厳しくなり、技術が進化しても、根底にある「本格的な4WD」「広い室内」「アウトドアへの適合性」という想いを失わなかった。それが、今なお「ライバルなし」という唯一無二の地位を保ち続けている理由だと思います。

新型デリカD:5も、次のデリカもその哲学を引き継ぎながら、最新のテクノロジーで進化を遂げて、ユーザーの期待に応えてくれることを期待しています。

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