2025年10月21日、トヨタが新型ランドクルーザーFJを世界初公開しました。日本発売は2026年の年央予定です。
実は私、2023年末にFJクルーザーのファイナルエディションを購入し、短い期間ですが乗っていた経験があります。そんな元FJクルーザー乗りの視点から、新型ランクルFJのリセール性とファミリーキャンプ適性を考察してみます。

新型ランドクルーザーFJの基本スペック

まずは基本情報から見ていきましょう。
【新型ランドクルーザーFJの基本スペック】
- 予想価格:390万〜400万円(ベースグレード)、上位グレードは450万円前後乗り出し450~500万弱
- サイズ:全長4575mm × 全幅1855mm × 全高1960mm
- ホイールベース:2580mm
- 車重:約2040kg
- エンジン:2.7L 直列4気筒ガソリン 2TR-FE型(163ps/25.1kgm)
- トランスミッション:6速AT
- 駆動方式:パートタイム4WD(H2/H4/L4切替、リアデフロック付)
- プラットフォーム:ハイラックスチャンプなどで実績のあるIMVシリーズのラダーフレームシャシーをベースに、ランクルFJ専用にホイールベースを縮小
- 生産地:タイ(バンポー工場)
えるやん現状は1エンジンのみですが、今後ディーゼルやハイブリッドの搭載も期待されます。
FJクルーザーとの比較表


「FJクルーザーの後継」と思われがちですが、実は全くの別物です。スペックを比較すると一目瞭然です。
| FJクルーザー | ランクルFJ | 差分 | |
|---|---|---|---|
| 全長 | 4635mm | 4575mm | -60mm |
| 全幅 | 1905mm | 1855mm | -50mm |
| 全高 | 1840mm | 1960mm | +120mm |
| ホイールベース | 2690mm | 2580mm | -110mm |
| 車重 | 約1940kg | 約2040kg | +100kg |
| エンジン | 1GR-FE型 V6 | 2TR-FE型 直4 | – |
| 排気量 | 4.0L | 2.7L | -1.3L |
| 最高出力 | 276ps/5600rpm | 163ps/5200rpm | -113ps |
| 最大トルク | 380N・m/4400rpm | 246N・m/3900rpm | -134N・m |
| 燃費(参考) | 8.0km/L | 10〜12km/L(予想) | +2〜4km/L |
| 駆動方式 | パートタイム4WD | パートタイム4WD | 同じ |
| トランスミッション | 5速AT | 6速AT | +1速 |
| ドア | 後部座席観音開き5枚 | 通常ヒンジ5枚 | ‐ |
比較のポイント:
- 全体的にコンパクト化(全長-60mm、全幅-50mm)
- エンジンは4.0L V6→2.7L 直4に変更で、パワーは大幅ダウン(-113ps)
- ホイールベースが110mm短くなり、最小回転半径5.5m(FJクルーザーは6.2m)
- 駆動方式は両車ともパートタイム4WD
- 後部座席への乗り込みが観音開きではなく通常のドア
旧FJクルーザーとは全くの別物です。
FJクルーザーは4.0L V6の「パワフルなアメリカンSUV」でしたが、新型は2.7L 直4の「コンパクトなランクル」。



内外装を見ても、むしろランクル250の弟分という位置づけです。
エンジンはランクル250のガソリンモデルと同じ2TR-FE型を搭載しています。ランクル250の車重が約2240kgなのに対し、ランクルFJは約2040kgと約200kg軽量化されているため、同じエンジンでもランクル250より軽快に動くことが期待されます。
FJクルーザーの実燃費は街乗り6kmくらいでした。ランクルFJはおそらく8-10kmくらいの実燃費と予想しています。
ファミリーキャンパー目線での使い勝手や積載性は?


さて、ファミリーキャンプで使えるのかという点ですが、正直なところルーフラックは必須だと思います。
私がFJクルーザーに乗っていた時も、家族4人分のキャンプ道具をラゲッジに全て積むのは厳しかったです。新型ランクルFJも同様のサイズ感なので、ファミキャン道具一式を積むならルーフラックやルーフボックスの装着を前提に考えた方がいいでしょう。


車中泊については、FJクルーザーだとセカンドシートを倒して身長170cm程度の大人が寝るのがギリギリで2人が限界でしたが、シートレイアウトや車内空間がどう工夫されているか楽しみです。
ただし、本格オフローダーとしての性能は折り紙付きです。ラダーフレーム構造を採用し、パートタイム4WD(H2/H4/L4切替)にリアデフロックも装備しているので、キャンプ場までの林道やちょっとした悪路なら安心して走破できます。
元FJオーナーが予想:新型ランクルFJのリセールは?


では本題。新型ランクルFJのリセールはどうなるでしょうか?ランクルという名前だけでリセールが高いと予想されますが、他にも理由があると思っていて、以下の通りです。
①ランクル250の納期地獄が続いている
ランクル250は発表直後から受注殺到し、納期は1年以上。一時は受注停止にもなりました。この状況が続けば、「ランクルが欲しいけど待てない」という層が新型ランクルFJに流れます。
②コンパクトSUV市場の空白を狙っている
ジムニーは軽自動車で4人家族には狭い、ランクル250や300は大きすぎる、高すぎる。この間を埋める「手頃なサイズ・価格の本格オフローダー」は意外と少ないです。新型FJはこの市場を狙っています。



ジムニー(シエラ含む)では小さいが250や300は大きすぎるという層は多いと予想しています。
③初回生産分はプレミア化する可能性
2026年年央の発売直後は、おそらく生産が追いつきません。初回生産分を確保できれば、転売市場で高値がつく可能性があります。私がFJクルーザーのファイナルエディションで経験したように、限定性の高いモデルはリセールが強いです。
④ランクルブランドの強さ
トヨタ、ランクルの名前がある限り、一定の需要は見込めます。海外需要も期待できるでしょう。



パジェロ復活の噂もありますがやはりランクルブランドのリセールは絶大
【懸念材料もあります】
ランクルといえば今まで
- へビューデューティの70
- ライトデューティのプラド
- 高級志向の300
という棲み分けで、250の登場により、プラドが廃盤。
ほとんど買えない300、250は価格の高さから300を補う高級路線に変わっている気がして、今までのプラドとは棲み分けが変わってきた気がします。
そこに少し価格の低い、悪い言い方をすれば安くて小さいランクルがどこまでランクルとして認められるかというところは懸念点。
総合評価:発売直後〜1年は高値維持。その後は生産状況次第
旧FJクルーザーのように「終売後に高騰」というシナリオは、新型の場合は読みにくいです。ただし、少なくともランクルという名前がついている車は海外需要も高いため高リセールで維持するはず。



ハイラックスチャンプ系統とのパーツ互換でメンテナンスの供給も長く続くのではないかと予想
結論:こんな人におすすめ、こんな人には向かない


新型ランクルFJをおすすめできる人:
- 最新装備の本格オフローダーが欲しいけど、ランクル300や250は大きすぎる・高すぎる
- オフローダーだけど最新の安全装備(トヨタセーフティセンス)が欲しい
- ファミリーキャンプはするけど、ルーフラック装着前提でOK
- リセール狙いで、発売直後に買える見込みがある
- 街乗りでも使える取り回しの良さが欲しい
新型ランクルFJが向かない人:
- スライドドアや広い室内が必須(ミニバンを選ぶべき)
- 車中泊メインで使いたい(全長が足りない)
- 燃費重視(2.7Lガソリンは10〜12km/L程度の予想)
- 旧FJクルーザーの後継を期待している(全く別の車です)
- パワフルなエンジンが欲しい(4.0L V6ではなく2.7L直4)
新型ランクルFJは、「ランクルの本格性能」と「街乗りでも使えるサイズ感」のバランスを取った意欲作です。発売は2026年年央。もし購入を検討しているなら、早めにディーラーで予約枠を確保することをおすすめします。ランクルシリーズの人気を考えれば、発売後すぐに納期1年超えは確実です。



元FJクルーザー乗りとして言えるのは、「旧FJの再来」を期待するのではなく、「新しいコンパクトランクル」として見るべきだということ。そう考えれば、十分に魅力的な選択肢だと思います。



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