こんにちは、えるやんです。今回はみなさんがバーベキューの時に使う炭の話。実は、炭の選び方で火付きの良さがかわったり、後始末の大変さがかわってくるのをご存知でしょうか。この記事では、炭の種類ごとの特徴や選び方を実際に着火してみて検証。さらに上手な着火方法・炭のレイアウトテクニックに加えて、火消し壺と火おこし器の使い方もご紹介します。


各炭の種類と特徴

ここでは、身近に手に入れられる炭を4つご紹介します。それぞれの特徴を理解することで、お店で迷わず炭を購入できます。
■ マングローブ炭(木炭)の特徴と注意点

マングローブ炭というと馴染が薄いですが、実はお店で1番よく見かけるのがこの炭です。その名の通り「マングローブの木」を原料としており、ホームセンターなどで木炭として売られている炭のほとんどが、このマングローブを使っています。火付がよく、価格が安いですが、品質は安定せず、燃焼時間が短く、爆ぜたり煙が多かったりとデメリットが多いです。
ポイント:
- 安価で火がつきやすい
- 燃焼時間が短く、実はコスパはあまり良くない
- 崩れやすく形が不安定なため、火力の維持が難しい
- 燃え残りが多く、後片付けが大変

火付が良くて安いのでよく見かけますが、火持ちや品質など総合的に見ると、あまりオススメできません。
■ オガ炭の魅力とおすすめポイント


オガ炭は、オガクズを高温で圧縮して作られる炭です。着火剤が練り込まれているものや備長炭の様に密度が高いものなど様々な種類があります。その中でもオガ炭備長炭は今回のイチオシです。火付きは少し悪いものの長時間安定した火力を維持できてコスパが良い炭です。BBQの本場アメリカでは豆炭と呼ばれる小ぶりな炭が一般的に使われています。
オガ炭のおすすめポイント:
- 火力が安定しており、均一な燃焼が実現
- マングローブ炭よりも長い燃焼時間
- 形状が均一なので、炭のレイアウトが作りやすい
- 木片が残りにくく、後片付けが簡単



コスト面でも性能面でも、初心者から上級者まで皆さんにもおすすめのバランスの取れた炭です。
■ 切炭の特徴と使いどころ


切炭は、「なら」や「くぬぎ」などの木を低温でじっくりと炭化させたもので、木材本来の質感や風合いがそのまま感じられるのが魅力です。切炭の利点は、火付がよくすぐに高い火力が得られます。燃焼時間は2時間ほどなので、さっとバーベキューを楽しむのにおすすめの炭です。
切炭の特徴:
- 火付けが比較的しやすい
- マングローブ炭と違い、嫌なニオイが少ない
- 高火力・短燃焼時間



火持ちがオガ炭備長炭と比べると短いですが、短時間で使い切るのにはおすすめです。
■ 備長炭の魅力とプロ向けポイント


備長炭は、木材を高温で一気に炭化させた高級炭です。火が付くまでにかなりの時間がかかるため、慣れていない初心者には扱いが難しいです。逆に、燃焼時間は約8時間と長いので、BBQで使うというよりはプロの料理人がお店で使う炭というイメージ。
備長炭は高温で燃焼するため、香ばしい香りとともに、食材のうまみを最大限に引き出すことができます。これもプロの料理人が愛用する理由のひとつです。
備長炭の特徴:
- 着火までに時間がかかるので、初心者には少々ハードルが高い
- 燃焼時間は約8時間と長く、じっくりと食材を調理可能
- 高温燃焼によって、香ばしい香りと旨みを引き出す
- 値段が高価



香りや火持ちは一級ですが、プロ向けの炭なので高価で扱いにくいです。
お手軽な着火方法と炭のレイアウトテクニック


■ おすすめの着火材とその使い方
着火材を使えば、スムーズに火をつけることができます。新聞紙や古紙を使うと火のついたままの紙が風によって飛ばされてしまうことがあって危険なので、専用の着火剤がおすすめです。
僕がよく利用する着火剤は、以下のファイヤーライターズという製品。マッチの様に擦ると着火剤に火がつくので、別でライターなどの火種を用意する必要がなくて便利です。



専用のケースも渋くてカッコイイのでおすすめです。
■ 火おこし器の選び方と使い方
火おこし器は、炭に効率よく火をつけるための道具です。初心者でも簡単に火がつく工夫が満載!
火おこし器のポイント:
- かんたん着火: 炭を入れて火種の上に置くだけで着火まで放置できる
- 効率的な着火: 煙突効果で炭全体に均一に火が回り、スムーズな火おこしが実現
- 継ぎ足しにも: 調理中の炭の中に新たな炭を入れるより、効率的に着火できる



着火の作業に人手をとられないので、その他の準備が捗ります。
折りたたみ式など携帯性に優れた商品もあるので、ご自身にあった火おこし器を選んでみてください。
■ 火消し壺の役割と使い方
火消し壺は、炭の火消し作業を安全かつ簡単にできます。しかも、余った消し炭を次回に再利用できる優れモノ。
火消し壺のポイント:
- 後片付けが楽に: 火消し壺に入れてしばらく置くと、酸素が不足することで自然に火が消える
- 再利用可能:消し炭は次回のBBQで再利用が可能なので経済的
- 持ち運び便利: BBQグリルより持ち運びもしやすいので、灰捨て場までの持ち運びにも便利



火消し壺を使えば、BBQ終了後の火消し作業もスムーズに行え、安心して他の作業ができます。
最近は袋タイプの製品も出てきました。使い方にコツがいるみたいですが、携帯性には優れます。
個人的におすすめは、キャプテンスタッグの大型火消しつぼ火おこし器セットです。大型といってもファミリーで1回バーベキューするには丁度良いサイズ感です。



10年近く愛用していますが、未だに現役です。
■ 炭のレイアウトで差がつくポイント


炭をグリル全体に並べるのはNG!炭をたっぷり持った強火ゾーンから段々と減らして火加減を調節できるようにしましょう。BBQは焼くペースも食べるペースも人それぞれ。グリル全面を焼き場にしてしまうと保温スペースの確保ができず食材が黒焦げになってしまいます。
また、野菜など食材やレシピによっては遠火でじっくり調理する方が美味しい食材もあるので最低でも炭のある場所、無い場所の2か所は作りましょう。



炭を置くのはグリルの半分くらいまで。それ以降は遠火と保温ゾーンにしています。半分でもグリルの2/3くらいまでは十分熱が届きますからね。
炭の種類ごとに着火・燃焼時間を検証
今回紹介した4つの炭を、実際に着火して2時間でどのくらい燃焼するか検証してみました。BBQシーズンのDCMには切炭以外のマングローブ木炭、備長炭、オガ炭備長炭が置いてありました。備長炭まで置いている店はなかなか無い。


着火開始
4種類をそれぞれ角に配置して、着火するも普段使っている火おこし器を使わなかったせいか火付きが悪い。


ということで、着火は最終的に炭を円錐状に組み上げて火力を上げることにしました。


着火完了・ミシシッピテスト
30分以上経ったところで、全ての炭がある程度着火できたので炭を再び種類ごとに分けていくことに。




今回は、ミシシッピテストという方法で肉が焼ける中火程度になるまでの時間を調べていきます。
火力の目安がわかるミシシッピテストの方法
手を炭の10~15cm上にかざし、「ミシシッピ・ワン、ミシシッピ・ツー…」と数えて、何秒間耐えられるかで火力を判断する方法です。
火力の目安
●1~2秒で熱すぎて手を引っ込める → 強火(約230~290℃)→ ステーキや焼き鳥の皮など、強火で一気に焼きたい食材向け
●3~4秒で熱くて耐えられない → 中火(約180~230℃)→ ハンバーグやソーセージ、焼き野菜などにちょうどいい火加減
●5~6秒ならじんわり熱い程度 → 弱火(約120~180℃)→ 魚やじっくり焼きたい食材向け
●7秒以上耐えられる → 低火力(120℃以下)→ 炭が弱くなっているので追加が必要かも
マングローブ炭と切炭は着火が早く15分~20分ほどで肉を焼ける状態になりました。




オガ炭備長炭の着火は20分~30分ほどでいい感じに。


プロ向けと言われる備長炭は、30分~40分かかりました。





前述した通り、火おこし器を使うともっと早く均等に着火できると思います。炭の種類による着火時間の目安として参考にしてください。
炭の種類で肉の味はかわるのか


それぞれの炭で肉を焼いて食べてみましたが、僕のバカ舌では正直そこまで味の違いを感じられませんでした。もっと高火力で脂が落ちて煙が上がる状態ならかわったかもしれません。
2時間後の炭の様子


着火開始から、2時間経った炭の様子を確認します。


マングローブ炭は細かくボロボロになっていて継ぎ足さないと火力が足りない状態になっています。


切炭は結構形を維持したまま、火力も安定しています。細かい木片は少し出ています。



マングローブ炭よりは火持ちがいいと思っていましたが、ここまで良いとは予想外でした


オガ炭備長炭は、小さいものはサラサラの灰になり、残りの2つは少し小さくなりながらも高火力を維持しています。


備長炭。正直燃えてるのか?というレベルの見た目ですが火力はあります。もっとガンガン燃やした方が本領を発揮できそうですね。
2時間燃やしてみて
4つの炭の種類を解説して前知識があったうえでの感想です。
- マングローブ炭:やっぱり木片の残りが多く後処理が面倒だなという印象。燃焼持続時間も短いので総合的にコスパが悪い。
- 切炭:以外と燃焼持続時間が長かった。木片はあまり残らないが多少出る。
- オガ炭備長炭:着火時間は少しかかるが燃焼時間と後処理のしやすさが魅力。
- 備長炭:着火時間が長すぎるし値段も高いので素人にはおすすめできない。
着火時間、燃焼時間、コストを考えると切炭とオガ炭備長炭が優れていると感じました。
まとめとよくある質問(FAQ)
■ まとめ:自分にぴったりの炭と道具を見つけよう
シーンに合った炭を選ぶことと、便利なアイテムを使うことでより楽しくBBQが行えます。使用する炭は【安定した燃焼を誇るオガ炭】か【火付の良い切炭】、がおすすめです。簡単に着火できる火おこし器と安全な火消し壺も用意することをおすすめします。
■ よくある質問(FAQ)
Q1:初心者におすすめの炭はどれですか?
A1:火おこし器がないなら切炭。安定した燃焼が期待できるオガ炭がおすすめです。
Q2:炭の燃焼時間はどのくらいですか?
A2:炭の種類によりますが、オガ炭は比較的長く燃焼し、備長炭は約8時間ほど持続します。
Q3:どのような着火器具を使えばいいですか?
A3:火おこし用の着火剤や着火板を使用すると、炭全体に均一な火が回りやすくなります。
Q4:火消し壺の使い方は?
A4:BBQ終了後、残った炭を火消し壺に集めてしばらく置くことで、自然に火が消え、安全に後片付けができます。
Q5:火おこし器は本当に初心者でも扱えますか?
A5:はい、直感的に操作できる設計の火おこし器なら、初めての方でも簡単に使えるのでおすすめです。
以上、BBQ初心者必見の炭の種類・選び方・着火方法に、火消し壺と火おこし器の使い方も加えた完全ガイドでした!
この情報が、皆さんのアウトドアライフをより充実させる手助けになれば嬉しいです〜。
それでは、次回のBBQでまたお会いしましょう!
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